帰る人がみんな笑顔になる!キャンプ場をつくる|WOODSMAN CAMPGROUND・齋藤晋祐さん
道志村といえば自然豊かなキャンプ場のメッカ。たくさんあるキャンプ場の中でも迫力ある焚き火とアットホームな対応が人気の WOODSMAN CAMPGROUND の管理人・齋藤晋祐さんに話を聞いた。WOODSMANは広々とした開放感あるテントサイトとオートサイトの他に、森の中のソロサイト、デッキサイトなどいろんな楽しみ方ができる。トイレをはじめ水回りがとてもきれいで女性にも人気。快適なキャンプ場を提供するために、常に清潔な状態を保っている齋藤さんだが、それがとんでもなく難しいことだということは普段自然と関わっている人ならわかるだろう。ゆくゆくは道志村をあちこちから人が集まる場所にしたいと、イベントなども精力的に企画していく予定。
 
          
          
          そもそもキャンプに興味はなかった
ーーーまずはWOODSMAN CAMPGROUNDが道志村にできた経緯を簡単に教えてください。数あるキャンプ地の中でなぜ道志村だったのでしょうか。
自分は途中から入ったスタッフなので、詳しいことは知らないのですが、オーナーが子供の頃に道志川沿いのキャンプ場で遊んだことがあったらしくて、それがすごく楽しくて大人になってもずっと頭に残っていたみたいなんです。それで道志川沿いの土地を探していたところ知り合いづたいに今のWOODSMANの場所を紹介してもらったとのことでした。(キャンプ場を作る様子などはWOODSMANのyoutubeチャンネルで見ることができます。https://www.youtube.com/@woodsmancampground/videos)
ーーー齋藤さんは途中から入ったスタッフということですが、道志村在住というわけじゃなくて自宅から通っているですよね。なぜここで働くことにしたのですか?
たまたまご縁があったというか、流れが来たというか。最初はまったくキャンプにも興味がなかったんです。コロナ禍でどこにも出かけられなかったときに、自然の中でコーヒーが飲みたいと思ったときに、森と川のバランスがすごくよかったWOODSMANに通うようになりました。実際に行ってみたら焚き火にハマり、それからキャンプの面白さを知るようになったんです。そんなときにスタッフが一人辞めるので手伝ってくれないかと誘われて、もう直感で面白そうと思っちゃって……まだキャンプ経験が1年もないのに、あれよあれよと本当に働くことになったんですよね。自宅から通うことについても、もともと運転が全く苦にならないので全然抵抗はなかったです。身体はしっかり悲鳴をあげますけどね、、、メンテナンスをしっかりしているので、精神的に今はノーストレスです。
キャンプ場ではたらくこと
ーーーキャンプ場のお仕事はどんな感じなのでしょうか?1日のお仕事の流れを教えてください。
大体の仕事は掃除です。やっぱりいつも同じ状態を保っておくということが大切だと思っているので、快適に過ごせる環境を保つということに1番時間を使います。水回り、トイレや炊事場がきれいなのはうちの売りのひとつでもあるので、1日に何度も掃除をして、備品の補充をします。それから場内にゴミが落ちていないか見回りをしたり、落ち葉の季節には枯葉掃き、雪の季節は雪かき、鹿のフンは年中落ちているのでしょっちゅう掃いたりしています。あとは受付業務、Instagramの更新、レンタル品の管理、オリジナルグッズの販売もしています。道志村のものをなるべくみなさんに知ってもらいたいという思いもあるし、実際お客様からも要望があったりするので、地元の方が作っている野菜や、ハーブティー(英工房)、道志村の絵地図が描かれた手ぬぐい(千々輪岳史さん作)も販売しています。
お客さんを笑顔にするキャンプ場
ーーー働きはじめて3年とのことですが、今までこの仕事をやってきてよかったこと、楽しいことはなんですか?
もともと人のために何かしたいと思ってる人間なので、楽しめる場を提供できているということはすごくよかったと思いますね。うちに来た人たち、みんな笑顔で帰るんです。帰る時にわざわざ車から降りて受付まで来てくれて、ありがとうございますって本当にいい笑顔で言ってくれて。ときどきちょっと泣きそうになるときあります。あとは常に自然に触れている仕事なので、自然から知らず知らずのうちにエネルギーをもらえていると思います。全然風邪をひかなくなったし、ストレスもなくて自然から受けている恩恵は大きいと思いますね。
ーーー反対に大変なことは何かありますか?
実際大変なことも大変とは思えないんですよね。いつもこんな仕事ができてありがたいと感謝の気持ちでいるので、うまくいかなくてもイライラしたりしないし、大きな自然を前にして穏やかでいられます。もちろん自然相手の仕事なのでなかなか計画通りにはいかないですよ。特に天候にはすごく左右されます。今日中にやらなきゃいけないことがあるときに雨が降ったりしてね。でもね、思い通りにいかないときにじゃあどうするのかっていう人間力を常に試されるんですよ。だから自然に対応力がついてきて、ちょっと何かトラブルがあったとしても動じなくなる。そこを鍛えられると思うと大変なことも大変じゃなくなるし、むしろプラスにしていけるんです。雪かきとかも、除雪車だったら2〜3分でできるところを1人でやらないといけないので、3時間くらいかけてやったりする。側から見たらすごく大変に思えると思うけど、自分なりに工夫してシートを先に敷いておいて雪がつもったらシートごと外すことで少しでも簡単にするとか、そうやって考えながらやるようになったのもいいのかなと思います。
道志村に自然に人が集まるような、そんな場を作りたい
ーーーその精神めちゃくちゃ見習いたいです。ずっと心穏やかでいられる仕事って最高ですね。ではそのWOODSMANを今後どんなキャンプ場にしていきたいですか?
キャンプ場としては、なるべく自然のものしかなくて、ありのままを楽しんでもらうというのがコンセプトなので子供達も普段はゲームで遊んでいても、ここでは自然のものでみんなで遊べるような環境が理想ですね。そしてみんながおだやかな気持ちになれる場所でありたいと思っています。そのためにお客様ひとりひとりの顔を見て、状況を見つつ今必要かなと思うところには手を差し伸べたり、逆にそっとしておいたりと細やかな配慮ができるように気をつけています。居心地がいいと思ってもらえたら嬉しいですね。
ゆくゆくは道志村に人を呼べるような、そんなきっかけになる場所になったらという思いもあるので、今は村の中で横のつながりを大切にして、いつかみんなで協力して道志村にたくさんの人が来てくれるようなそんなきっかけを作れたらと思っています。
ーーー聞いていてすごく行きたくなりました!きっとキャンプ場をやることに憧れている方もたくさんいると思います。最後にそんな方々にぜひ何かメッセージをお願いします。
やる前にあれこれ考えたり、調べたりするよりも、まずはやってみる。それでうまくいけばラッキーだし。ダメだったら修正すればいいのだから。それは失敗ではなく経験なので次に活かせます。とにかく1歩前には進んでいるので良しとしちゃうんです。そういう精神を持った人がやるのには向いているんじゃないかなと思います。あとは心から楽しみきる。それがお客さんにも伝わるので、本人が楽しむことが大事だと思います。想像以上に騒がしい未来が待っていますよ!